勤怠管理システムで使えるICカードとは?
種類やメリットを分かりやすく解説!

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#ICカードリーダー

2025年11月11日

 近年、ICカードを使った勤怠管理システムを導入する企業が増えています。SuicaやPASMO、ICOCAといった交通系ICカードをはじめ、社員証や電子マネーなど、すでに手元にあるカードを活用して、出退勤の打刻をスムーズに行えるのが大きな魅力です。
 紙のタイムカードや手書きの出勤簿、Excel入力による管理から脱却し、正確かつ効率的に勤怠データを集計できるため、給与計算のミス防止や業務効率化にもつながります。
 本記事では、ICカードを活用した勤怠管理の仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

1. ICカード式の勤怠管理とは?

 勤怠管理におけるICカード利用とは、社員証や交通系ICカードなどに割り振られた固有の識別番号(ID)を、カードリーダーで読み取ることで、出勤・退勤時刻を自動で記録する仕組みのことです。多くの場合、従業員がすでに保有しているICカードをそのまま活用できるため、専用カードを新たに発行する必要がないケースも多く、導入のハードルが低い点も特徴です。

 ただし、ICカードを利用した勤怠管理を導入するには、対応するカードリーダー機器および、読み取った情報を勤怠データとして処理・集計できる勤怠管理システムが必須となります。

2. 紙のタイムカードとの違い

紙のタイムカードとの違いは、下記の通りです。

ICカード式の勤怠管理 紙のタイムカード
打刻方法 ICカードリーダーにカードをかざす タイムレコーダーにカードを差し込み印字
データ システム上に保存されるデジタルデータ 紙に印字された記録
集計作業 システムが自動で勤務時間を集計 担当者が手作業で集計・Excel入力
確認・管理 打刻後すぐに管理画面でリアルタイム確認可能 月末回収まで勤務状況の把握が難しい
正確性 入力ミスや計算ミスを防止しやすい 記入・読み取り・転記ミスが起こりやすい
不正防止 カード固有IDにより代理打刻を防ぎやすい 他人のカードで打刻できるリスクがある
コスト面 紙などの消耗品や保管スペースが不要 タイムカード用紙・インクリボン代などが発生

3.ICカードの種類と特徴

 ICカード式タイムカードで主に利用されるのは、「FeliCa(フェリカ)」と「MIFARE(マイフェア)」という2つの規格です。

FeliCa(フェリカ)規格

 日本国内で最も広く普及しているICカード規格で、交通系ICカードや電子マネーなどに採用されています。20代〜60代の就業世代なら、ほとんどの人が1枚はFeliCa規格のカードを持っていると言われています。既に多くの従業員が所持しているため、新たなカードを配布せずに勤怠管理へ導入できるケースも多く、運用のしやすさが魅力です。

  • 主なカード例:Suica、PASMO、楽天Edy、nanaco、WAONなど
  • 特徴:通勤や買い物で使っているカードをそのままタイムカードとして利用でき、導入がスムーズ。

MIFARE(マイフェア)規格

 世界的にスタンダードな規格で、FeliCaに比べて安価であることが特徴です。国内ではややマイナーな印象がありますが、社員証や入退室管理カードなど、企業用途で多く採用されています。そのため、既にMIFARE対応のセキュリティカードを使っている企業では、勤怠管理システムと一体化して運用できる場合もあります。

  • 主なカード例:企業独自の社員証、taspo(成人識別カード)など
  • 特徴:導入コストが抑えやすく、既存の社内ICカードを活用できる可能性が高い。

4. 勤怠システムに使えるICカードリーダー

 勤怠管理システムでは、従業員のICカード内にある識別番号(ID)とシステム上の社員情報を連動させることで、カードをリーダーにかざすだけで出退勤を記録できます。この仕組みを利用するには、ICカードの情報を読み取るICカードリーダー(タイムレコーダー)が必要です。

■ ICカードリーダーの種類と特徴

 現在、勤怠システムで主に使われているリーダーは以下の2タイプです。

PC接続型リーダー(ソニー(株)製 PaSoRi など)

 パソコンやタブレットにUSBで接続し、FeliCaやMIFARE規格のICカード情報を読み取ります。価格が手頃で導入しやすい反面、PC常時接続が必要な点が課題です。

出典:ソニー|PaSoRi(パソリ)

ネットワーク対応型リーダー((株)スマート・ソリューション・テクノロジー製 PitTouch など)

 PCを使わず、単体でクラウド勤怠システムと連動できるタイプです。打刻データをリアルタイムで送信でき、生体認証との併用も可能なため、不正打刻の防止にも有効です。

出典:株式会社SST|PitTouch

5. ICカードで勤怠管理をするメリット・デメリット

ICカード勤怠管理のメリット

1.誰でも簡単に使える

 ICカードをリーダーに「かざすだけ」で打刻できるため、操作が非常にシンプルです。従業員がすでに持っている交通系ICカード(Suica・PASMOなど)や社員証を登録して使えるため、新しいカードを配布する必要もありません。紙のタイムカードからスムーズに移行でき、特別な研修も不要です。

2. 勤怠集計の自動化で業務効率アップ

 打刻データはリアルタイムでシステムに反映され、自動的に集計・記録されます。人事担当者が紙のタイムカードを回収・入力する手間がなくなり、給与計算や労働時間管理が大幅に効率化されます。
 データのデジタル化により、労務の見える化・残業抑制にもつながります。

3. コスト削減と管理の手間軽減

 紙のタイムカードや印字リボンなどの消耗品コスト、保管スペースの確保といった管理コストを削減できます。また、多くの場合、従業員が既に持っているICカードを活用できるため、新たなカード発行費用も不要です。

4. 不正打刻を防止できる

 ICカードは原則として本人しか持たないため、代理打刻などの不正を防ぎやすくなります。

ICカード勤怠管理のデメリット

1.導入コストがかかる

 ICカード勤怠管理を導入する際は、ICカードリーダーなどの専用機器の購入費用や、システムの月額利用料(ランニングコスト)がかかります。紙のタイムカードと比べると初期費用が高く感じられるかもしれませんが、クラウド型サービスを選べば導入コストを抑えられるケースもあります。
 また、導入時にはシステム設定や社内展開など、担当者の業務負荷が一時的に増える点にも注意が必要です。導入前に業務効率化によって削減できる人件費や作業時間を試算し、費用対効果を把握しておくことが大切です。

2. ICカードの紛失・忘れによるトラブルリスク

 ICカードは従業員が個人で持ち歩くため、紛失や自宅への置き忘れといったトラブルが発生する可能性があります。カードを紛失すると、再発行の手間や費用が発生し、打刻漏れによって勤怠データが不正確になる恐れもあります。
 紛失・忘れ時の運用ルールを事前に明確に定めておきましょう。またスマートフォン打刻やPC打刻など、代替手段を併用できる勤怠システムを選ぶことで、紛失時のリスクを最小限に抑えられます。

6. ICカード打刻にも対応!クラウド型勤怠管理システム「FC勤怠」

 本記事では、勤怠管理システムにおけるICカード打刻について解説しました。ICカードは手軽で使いやすい一方、カードリーダーが必要なため、テレワークや出張時には使いにくい場面もあります。

 FC勤怠では、こうした働き方の多様化に対応できるよう、ICカード打刻に加え、PCやスマートフォンからの打刻にも対応しています。オフィス勤務・在宅勤務・外出先など、どの環境でもスムーズに勤怠を記録でき、自社の勤務スタイルに合わせた柔軟な運用が可能です。
 また、初めて勤怠管理システムを導入する企業でも安心して利用できるよう、導入支援やサポート体制も充実。 運用開始後もスムーズに定着できるよう、担当スタッフが丁寧にフォローします。

 勤怠管理の効率化をお考えの企業様は、ぜひFC勤怠をご検討ください。